保護者向け 2026.08.07

スケボーは危ない?保護者が本当に知っておきたい安全な始め方

スケボーは危ない?保護者が本当に知っておきたい安全な始め方

「スケボーって、やっぱり危ないですよね?」

スケートスクールをやっていると、保護者の方から本当によく聞かれる質問です。

子供は「スケボーをやってみたい」と言っている。でも親としては、転んだり、骨折したりするのではないかと心配になる。

その気持ちは、すごく自然だと思います。

SNSやYouTubeでスケートボードの映像を見ると、大きな階段から飛び降りたり、高い手すりに飛び乗ったりしています。一方で、スケートパークへ行けば、小さな子供たちが楽しそうに滑っています。

「実際のところ、どのくらい危ないの?」

「子供にやらせても大丈夫なの?」

情報の差が大きすぎて、判断できない保護者の方も多いと思います。

だから今回は、30年以上スケートボードを続け、子供から大人まで指導してきた僕の経験から、スケボーの危険性と、ケガを防ぐために大切なことを正直に書いてみます。

スケートボードは「転ぶこと」が前提の遊び

最初に、ごまかさずに言います。

スケートボードは、転ぶことが前提の遊びです。

擦り傷や打撲を完全にゼロにすることは難しいですし、転び方や状況によっては骨折などの大きなケガにつながる可能性もあります。

だから「スケボーは絶対に安全です」とは言えません。

ただし、スケートボードだから何をしても危ないというわけでもありません。

危険性を大きく左右するのは、主に次のような部分です。

  • どこで滑るのか

  • どのくらいの高さやスピードに挑戦するのか

  • 転び方を知っているか

  • ヘルメットやプロテクターを着けているか

  • 疲れている状態で無理をしていないか

  • 自分のレベルに合った練習をしているか

つまり、スケートボードそのものよりも、「どのように始めるか」「どのような環境で練習するか」がとても重要なのです。

なぜ「スケボーは危ない」というイメージが強いのか

転ぶ場面が目立つから

サッカーや野球などでも、子供は転びます。

しかし、ほかのスポーツでは転倒が試合の流れの中に入っているため、それほど目立ちません。

スケートボードは、一人で滑って、一人で転びます。板が飛んだり、大きな音が出たりするため、見ている側は実際以上に危険だと感じることがあります。

また、スケートボードは失敗を繰り返しながら、少しずつ体で感覚を覚えていく遊びです。

転ぶこと自体をすべて悪いものとして考えてしまうと、挑戦できなくなってしまいます。

大切なのは、転ばないようにすることだけではなく、無理な挑戦を避け、安全に失敗できる環境を作ることです。

SNSで見るのはプロの最高難度だから

SNSやYouTubeで目にするスケートボードの映像は、階段を飛び降りたり、大きな手すりに乗ったりする派手なものが中心です。

でも、それは長い年月をかけて練習してきたスケーターが、自分の限界に挑戦している映像です。

初めてスケートボードに乗る子供が、平らな場所でゆっくり進む練習とは、まったく違います。

板の上に立つところから始まり、少し進み、自分で降りられるようになる。そこから曲がる、止まる、小さな段差を越えると、少しずつ段階を上げていきます。

その過程を飛ばして、いきなり大きな技に挑戦する必要はありません。

公道や坂道での事故と混ざっているから

スケートボードの事故として報道されるものには、車道や坂道で起きたケースもあります。

これはスケートパークや専用スペースで練習することとは、危険性がまったく違います。

特に初心者は、スピードが出てから安全に止まることができません。坂道では本人が思っている以上にスピードが出るため、転ぶ以外に止まる方法がなくなってしまうことがあります。

スケートボードを始めたばかりの時期は、坂道、車が通る場所、人通りの多い場所、暗い場所では滑らせないでください。

まずは平らで、周囲に人や車が入ってこない場所から始めることが大切です。

実際に多いのは擦り傷と打撲

スケートボードをしていて比較的起こりやすいのは、膝や肘、手のひらなどの擦り傷や打撲です。

特に短パンや半袖で滑っていると、転んだときに直接肌を擦ってしまいます。

暑い時期でも、最初のうちは動きやすい長ズボンを選んだほうが、ケガを軽くできることがあります。

膝や肘のプロテクターも効果的です。

防具には、ケガを軽くするだけでなく、子供の恐怖心を減らす役割もあります。

「転んでも思っていたほど痛くなかった」

この経験があると、子供は安心して次の練習に挑戦できます。

防具は上達を邪魔するものではなく、安心して練習するための道具だと考えてみてください。

特に気をつけたいのは頭と手首

子供の場合、特に注意したいのが頭と手首です。

前に転ぶと、人は反射的に手をつこうとします。そのときに手首へ大きな力が加わると、強く痛めてしまうことがあります。

後ろに転んだ場合は手が出にくく、頭を打つ危険性があります。

そのため、子供がスケートボードを始めるなら、ヘルメットは最初から着用することをおすすめします。

途中から着けさせようとすると、「今まで着けていなかったのに」と嫌がることがあります。

最初の日から「スケボーをするときはヘルメットを被る」と決めておけば、それが本人にとって普通になります。

サイズが合っていなかったり、正しく固定されていなかったりすると十分に機能しないため、購入時にはスケートショップや詳しい人へ相談してください。

技より先に「転び方」を覚える

僕が初心者を教えるときに大切にしているのは、いきなり技を練習させないことです。

まずは、

  • 板の上に安全に立つ

  • 自分で板から降りる

  • 無理だと思ったときに早めに逃げる

  • 転倒時に体の一部分だけで衝撃を受けない

といった基礎から始めます。

転びそうになったときに無理に耐えようとすると、体勢が崩れたまま転倒し、かえって大きなケガにつながることがあります。

「危ないと思ったら、早めに板から降りていい」

これを知るだけでも、子供はかなり安心できます。

転び方は、文章や動画を見ただけで正確に覚えるのが難しい部分でもあります。最初だけでも経験のある人に見てもらい、安全な場所で練習することをおすすめします。

疲れた時間帯がいちばん危ない

僕の経験上、ケガに注意したいのは練習の後半です。

疲れてくると足が上がらなくなり、集中力や判断力も落ちてきます。それでも子供は楽しいので、自分からはなかなかやめません。

できそうでできない技があると、「あと一回」「次こそできる」と何度も続けてしまいます。

そこを止めるのは、大人の役目です。

まだ本人が「もう少しやりたい」と思っているくらいで終わるのが、ちょうどいいと思います。

特に疲れている時間帯に、それまでやったことのない新しい技へ挑戦するのは避けたほうがいいでしょう。

後半は、すでにできる動きを確認したり、ゆっくり流したりする時間にする。こうしたルールを決めておくだけでも、ケガのリスクを減らせます。

夏は暑さによって普段以上に体力を消耗するので、水分補給と休憩も忘れないでください。

滑っている最中に「危ない!」と叫ばない

保護者の方に、もう一つ伝えておきたいことがあります。

子供が滑っている最中、転びそうになると、思わず「危ない!」と叫びたくなると思います。

しかし、声をかけられた子供が一瞬こちらを見てしまい、かえってバランスを崩すことがあります。

危険な場所に向かっているなど、すぐに止めなければならない状況は別ですが、技に挑戦している最中は、できるだけ集中させてあげてください。

注意するなら、滑り始める前か、止まったあとです。

見守る側も不安になると思いますが、その不安をそのまま子供にぶつけないことも、安全に練習するためには大切です。

最初の道具選びも安全につながる

「まだ続くか分からないから、最初は安いものでいい」

そう考える気持ちも分かります。

ただし、スケートボードのような形をしていても、実際にはウィールが回りにくかったり、曲がりづらかったり、子供の体格に対して大きくて重すぎたりする商品があります。

扱いづらい板は、思ったように進まなかったり、急にバランスを崩したりする原因になります。

その結果、子供は「自分が下手だから乗れない」と思ってしまいますが、実際には道具が合っていないだけかもしれません。

最初の板は見た目や価格だけで選ばず、子供の身長、体重、足のサイズに合っているかを確認してください。

体格に合った道具を使うことは、上達のためだけでなく、安全のためにも重要です。

身長や靴のサイズに合ったデッキを選ぼう

スケートボードのデッキは、幅が少し違うだけでも乗り心地や動かしやすさが変わります。

特に子供の場合、大人用の大きくて重いデッキを使うと、板を動かしにくく、正しい姿勢や動きを覚えづらくなることがあります。

デッキを選ぶときは、主に次の点を確認します。

  • 身長
  • 靴のサイズ
  • 年齢や体格
  • スケートボード歴
  • 現在乗っているデッキのサイズ
  • 安定感と動かしやすさのどちらを重視するか

一般的に、細めのデッキは軽くて動かしやすく、太めのデッキは足を置く面積が広いため安定感があります。ただし、身長だけ、靴のサイズだけで決めるのではなく、体格や経験も含めて選ぶことが大切です。

LESQUEでは、身長・靴のサイズ・スケートボード歴などを入力すると、その人に合ったデッキサイズを簡単に確認できる「LESQUE SIZE CHECK」を用意しています。

「どのサイズを選べばいいか分からない」という方は、購入前に一度試してみてください。

身長・靴のサイズから適切なデッキサイズを診断する

LESQUEでは、成長期の子供にも合わせやすいように、同じ幅でも長さを抑えた「mini」と通常の長さのモデルを展開しています。今の体格に合った板を選び、成長に合わせて少しずつサイズアップできるのも特徴です。

体格に合ったデッキを使うことは、上達しやすくなるだけでなく、無理な姿勢や動きを減らし、安全にスケートボードを楽しむことにもつながります。

スケートパークでもルールを確認する

専用のスケートパークだからといって、何も考えずに滑って安全というわけではありません。

パークには、その場所ならではの流れや順番があります。

滑っている人の進行方向へ突然入ったり、セクションの着地点に立ったりすると、ほかのスケーターとぶつかる危険があります。

初めて行く場所では、まず少し離れた場所から全体の流れを見てください。

分からなければ、スタッフや周りの経験者に聞いて大丈夫です。

上手な人が多い時間帯を避け、初心者向けの時間やスクールを利用するのもおすすめです。

「危ないからやらせない」だけで終わらせない

僕自身、長くスケートボードを続ける中で、何度も転び、ケガも経験してきました。

昔は、痛い思いをしながら自分で覚えることも多かった時代です。

でも、今の子供たちまで同じ方法で覚える必要はありません。

先に教えられることは教える。

防げるケガはできるだけ防ぐ。

年齢や体格、その日の体調に合った練習をする。

スケートボードの危険性を正しく理解することは、挑戦させないためではなく、安全に挑戦できる環境を作るためだと思います。

転ぶ可能性だけを見れば、確かに怖い遊びに見えるかもしれません。

しかし、できなかったことに何度も挑戦し、自分の力でできるようになる喜びは、スケートボードならではのものです。

挑戦する勇気、失敗しても立ち上がる力、自分で考えて工夫する力も身につきます。

危険をすべて遠ざけるのではなく、リスクを理解したうえで、子供が安心して挑戦できるように大人が支えてあげる。

それが大切なのではないかと思います。

近くにスクールがなくても学べるオンラインスクール

茨城県土浦市のGrafferでは、初心者のお子さんにも、まず安全な立ち方や降り方、基礎的な体の使い方から教えています。

ただ、住んでいる地域によっては近くにスケートスクールがなかったり、定期的にGrafferまで通うのが難しかったりする方もいると思います。

そのような方に向けて、Grafferオンラインスケートボードスクールも行っています。

普段の練習映像を送ってもらい、その子のレベルや動きを確認しながら、今どこを直したらいいのか、次にどのような練習をしたらいいのかをアドバイスします。

オンラインなので、いつも滑っている場所で、自分のペースで練習できます。

技を教えるだけではなく、無理な挑戦をしていないか、練習の順番が合っているかなども一緒に確認していきます。

近くに教えてくれる人がいない方や、親子だけで練習していて次に何をしたらいいか分からない方は、ぜひ活用してみてください。

まとめ:危険を知ることが、安全に楽しむ第一歩

スケートボードは転ぶことが前提の遊びなので、擦り傷や打撲を完全に避けることはできません。

しかし、次の点を意識することで、大きなケガにつながるリスクを減らすことはできます。

  • 初心者は平らで安全な場所から始める

  • 坂道、車道、暗い場所では滑らない

  • ヘルメットとプロテクターを最初から着ける

  • 技より先に、安全な降り方や転び方を覚える

  • 子供の体格に合った板を使う

  • 疲れたら早めに練習を終える

  • 練習の後半に難しい新しい技へ挑戦しない

  • スケートパークの流れやルールを確認する

  • 滑っている最中に不用意に声をかけない

  • 年齢やレベルに合った段階を踏む

「スケボーは危ないからやらせない」と考える前に、まずは安全な環境で一度体験させてあげてください。

正しい道具と環境を用意し、無理をせず段階を踏んでいけば、スケートボードは子供にとって、とても楽しく、たくさんのことを学べる遊びになります。

怖がりすぎず、油断もしない。

大人が正しい知識を持って見守ることが、子供の安全と長くスケートボードを楽しむことにつながると思います。