ケガ 2026.08.12
スケボーで手首を骨折しないために|最初に覚えたい安全な転び方
スケボーで手首を骨折しないために|最初に覚えたい安全な転び方
スケートボードで避けたいケガの一つが、手首の骨折です。
擦り傷や軽い打撲のほうが起きる回数は多いかもしれません。しかし手首を骨折すると、長期間スケートボードができなくなるだけでなく、字を書く、箸を持つ、着替えるといった日常生活にも影響します。
特に初心者の子供は、転倒した瞬間に腕をまっすぐ伸ばし、手のひらだけで身体を支えようとしがちです。
転ぶこと自体を完全になくすことはできません。ただし、転び方や安全に板から降りる方法を先に練習しておけば、手首へ大きな衝撃が集中するリスクを減らせます。
今回は、茨城県土浦市のGrafferで子供たちを教えているイトシンが、初心者に最初に覚えてほしい転び方と、家庭でもできる練習方法を紹介します。
なお、ここで紹介する方法を覚えても、すべてのケガや骨折を防げるわけではありません。痛みや腫れ、動かしにくさなどがある場合は、自己判断せず医療機関へ相談してください。
結論:「手をつかない」ではなく、手首だけに衝撃を集中させない
よく「転んだときは手をつくな」と言われます。
しかし、人は転んだ瞬間、反射的に手を出して身体を守ろうとします。特に子供に対して「絶対に手を出さない」と教えても、実際の転倒時にその反応を止めるのは簡単ではありません。
大切なのは、次の3点です。
- 板から安全に降りる動きを先に身につける
- 腕を伸ばし切り、手のひらだけで身体を支えない
- 膝あてなどを使い、身体の一部分だけに衝撃を集中させない
前方へ転ぶ場合は、膝あてを使って膝から滑り込む方法があります。
後方へ転ぶ場合は、手を後ろへ突っ張るのではなく、あごを引いて身体を丸め、お尻から接地する動きを練習します。
いきなり走行中に試すのではなく、最初はマットや芝生などの安全な場所で、経験のあるコーチの指導を受けながら練習することが大切です。
なぜスケボーで手首を痛めるのか
腕をまっすぐ伸ばして手をつく
転倒した瞬間に腕を突っ張り、手のひらだけで全体重を受け止めようとすると、手首や腕へ大きな負担がかかります。
手首を強く反らせた状態で地面に接触すると、衝撃をうまく逃がせません。
「転びたくない」と思って身体が固くなっている初心者ほど、この姿勢になりやすいように感じます。
後ろへ転んだときに手を出す
前方へ転ぶときだけでなく、後方への転倒にも注意が必要です。
後ろへ倒れた瞬間に手をつくと、腕や手首が不自然な角度になった状態で体重がかかることがあります。
さらに後方への転倒では、後頭部を打つ可能性もあります。初心者や子供には、サイズの合ったヘルメットを必ず着用してほしいと思います。
スピードが出すぎている
スピードが上がるほど、転倒したときの衝撃も大きくなります。
特に危険なのが、まだ止まり方を覚えていない初心者が坂道を滑ることです。
乗って進むことができても、自分で減速したり、安全に降りたりできなければ、コントロールできているとはいえません。
初心者は、まず平らな場所で、
- 板に乗る
- ゆっくり進む
- 曲がる
- 止まる
- 安全に降りる
という基本を練習しましょう。
手首を守るために覚えたい3つの動き
1.前に転びそうになったら、膝あてを使って滑る
前方へ転びそうになったときは、手のひらだけで身体を止めようとせず、膝あてを使って膝から滑り込む方法があります。
膝あては、ただ膝をぶつけたときの痛みを軽くするだけの装備ではありません。前方へバランスを崩したとき、膝を使って衝撃を逃がすためにも役立ちます。
ただし、膝あてなしで硬い路面に膝から落ちると、膝を痛める可能性があります。必ずサイズの合った防具を正しく装着し、安全な場所で練習してください。
2.腕を伸ばし切らない
転んだ瞬間に手や腕が出た場合でも、肘を完全に伸ばし切って身体を支えようとしないことが重要です。
手首だけに衝撃を集めるのではなく、肘を柔らかく使い、身体を固めすぎない感覚を練習します。
ただし、これは文章だけで正確に伝えるのが難しい動きです。間違った方法で練習すると、肘や肩など別の場所を痛める可能性もあります。
最初はスケートボード経験者やコーチに、実際の姿勢を確認してもらうことをおすすめします。
3.後ろへ倒れるときは、あごを引いて身体を丸める
後方へバランスを崩したとき、手を後ろへ突っ張ると手首へ負担が集中します。
低い姿勢から、あごを引き、身体を丸めながらお尻から接地する練習をします。柔道などの後ろ受け身に近い考え方です。
頭を地面にぶつけないよう、必ず最初はマットなどの柔らかい場所で行ってください。
家でもできる「安全に降りる練習」
板に乗る前でも、転倒時の身体の使い方は練習できます。
ただし、硬い床や狭い場所では行わず、カーペット、体操用マット、芝生などを利用してください。子供だけで行わせず、大人がそばで見守りましょう。
ステップ1:低い姿勢から身体を丸める
最初はしゃがんだ状態から始めます。
あごを引き、お尻を低くして、身体を丸める感覚を確認します。いきなり勢いよく倒れず、ゆっくり行いましょう。
ステップ2:膝立ちから前方へ移動する
膝あてを着用し、膝立ちの状態から少しずつ身体を前へ移動させます。
腕をまっすぐ突っ張らず、手首だけで身体を止めない姿勢を練習します。
これは勢いよく床へ倒れ込む練習ではありません。低い姿勢から、身体の使い方を少しずつ覚えるための練習です。
ステップ3:後ろへ身体を丸める
しゃがんだ状態から、あごを引き、お尻からゆっくりマットへ接地します。
手を後ろへ突っ張らないことと、後頭部を床へ打ちつけないことを意識します。
ステップ4:板から安全に降りる
ここからスケートボードを使います。
平らで広い場所をゆっくり進みながら、前足、後ろ足の順番を確認し、安全に板から降ります。
転びそうになってから反応するのではなく、「危ないと思ったら、早めに板から降りる」という判断を身につけることが目的です。
子供には「転ぶ練習」と言わない
子供によっては、「今から転ぶ練習をするよ」と言われるだけで怖くなってしまいます。
そこでGrafferでは、「安全に降りる練習」と伝えるようにしています。
同じ内容でも、言葉を変えるだけで子供の反応は大きく変わります。
「先生の合図で安全に降りられるかな?」
「膝あてを使って、ヒーローみたいに滑ってみよう」
そんなふうにゲーム感覚で行うと、低年齢の子供も取り組みやすくなります。
大人が安全な場所で正しい動きを見せることも効果的です。ただ言葉で「手をついちゃダメ」と注意するより、実際の動きを見せたほうが理解しやすいと思います。
リストガードを着ければ安心?
リストガードは、転倒時に手首へかかる負担を軽減するための防具です。
特に、
- まだ転び方が身についていない子供
- スケートボードを始めたばかりの大人
- 過去に手首を痛め、転倒への不安がある人
には、着用を検討する価値があります。
ただし、リストガードを着ければ絶対に骨折しないわけではありません。防具を着けていても、腕を突っ張って手だけで身体を支えれば、手首以外の部分へ負担がかかる可能性があります。
リストガードを使いながら、安全な降り方や転び方も一緒に身につけることが大切です。
また、サイズが合わない防具はずれたり、動きを妨げたりします。商品の説明を確認し、正しく装着してください。
転び方を覚えると上達にもつながる
Grafferの体験レッスンでは、すぐに難しい技を始めるのではなく、まず安全に板から降りる方法や転び方を練習します。
せっかくスクールに来たのだから、早く板に乗せてほしいと思う保護者の方もいるかもしれません。
それでも、この順番は大切です。
転び方を知らない子は、転倒を怖がって身体を固くします。身体が固くなると板の動きに対応できず、かえって転びやすくなります。
一方で、「危なくなったら安全に降りられる」と分かっている子は、余計な力が抜けていきます。失敗しても立ち上がり、もう一度挑戦できます。
つまり、転び方は単なる安全対策ではありません。
恐怖心を減らし、挑戦する回数を増やすための、上達に欠かせない技術でもあるのです。
僕自身、子供の頃は転び方を誰かに教えてもらった記憶がありません。何度も痛い思いをしながら、少しずつ覚えてきました。
だからこそ、今の子供たちには、ケガをしてから覚えるのではなく、最初に安全な身体の使い方を伝えたいと思っています。
疲れてきたときほど注意する
転び方を覚えていても、疲れてくると反応が遅れます。
足が上がらない。着地で踏ん張れない。危ないと思っても、板からすぐに降りられない。
特に子供は、夢中になると自分の疲れに気づかないことがあります。
そのため、
- 練習後半に新しい技を始めない
- 集中力が落ちてきたら休憩する
- 手首や足首に違和感があれば、その日はやめる
- 「あと一回」を何度も繰り返さない
といった判断も必要です。
ケガをして数週間滑れなくなるより、今日は少し早めに終わり、元気な日にもう一度挑戦するほうが、長い目で見れば上達につながります。
手首を痛めたときは無理をしない
転倒後に手首が痛くても、子供は「大丈夫」「まだ滑れる」と言うことがあります。
しかし、見た目だけでは骨折や重いケガかどうか判断できません。
次のような症状がある場合は練習を中止し、医療機関へ相談してください。
- 強い痛みがある
- 腫れや変形がある
- 手首や指を動かしにくい
- 物を握れない
- 時間が経っても痛みが改善しない
- 手や指にしびれ、冷たさ、色の変化がある
痛みを我慢して滑り続けることは、根性でも練習でもありません。
違和感に気づき、早めにやめる判断も、長くスケートボードを続けるための大切な技術です。
まとめ:転び方は最初に覚えるスケート技術
手首のケガを減らすために覚えておきたいポイントをまとめます。
- 腕を伸ばし切り、手のひらだけで身体を支えない
- 初心者は平らな場所で、止まり方と降り方から練習する
- 膝あてやリストガードなど、サイズの合った防具を使う
- 前方への転倒では、膝あてを使って衝撃を逃がす
- 後方へ倒れるときは、手を突っ張らず身体を丸める
- 最初はマットや芝生など、安全な場所で練習する
- 子供には「転ぶ練習」ではなく「安全に降りる練習」と伝える
- 疲れや痛みがあるときは無理をしない
スケートボードでは、失敗も転倒もゼロにはできません。
大切なのは、怖がって何も挑戦しないことでも、危険を考えず無理をすることでもありません。
転んだときの身体の使い方を覚え、危ないと思ったら早めに板から降りる。防具を正しく着け、自分の技術に合った場所とスピードで練習する。
この基礎が、ケガのリスクを減らし、長く楽しく滑ることにつながります。
茨城県土浦市のGrafferでは、初心者の方に、技より先に安全な乗り降りや転び方を教えています。
まだスケートボードや防具を持っていない方も、レンタルを利用して体験できます。
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近くにスクールがない方や、普段の練習方法を相談したい方には、動画添削型のオンラインスクールもあります。
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転び方は、ケガをしてから覚えるものではありません。
最初に覚えておきたい、大切なスケートボードの技術です。