上達 2026.09.07
スケボーが上達する子としない子の決定的な違い
スケボーが上達する子としない子の決定的な違い
スケートボードを教えていると、本当にいろいろな子を見ます。
同じくらいの時期にスケボーを始めて、同じくらいスクールに来て、同じくらい練習している。
それなのに半年、1年と経っていくと、気づけばかなり差がついていることがあります。
昔の僕だったら、
「やっぱり運動神経なのかな」
「才能がある子は違うな」
と思っていたかもしれません。
でも、長くスケートボードをやってきて、さらにGrafferでたくさんの子どもたちを教えるようになってから、今は少し考え方が変わりました。
もちろん、運動神経や体格、性格による違いはあります。
でも、それ以上に大きいのが、
「どうやって練習しているか」
だと思っています。
上達する子は、ただ回数をこなしているわけじゃない
僕が一番感じる違いはこれです。
上達がなかなか進まない子は、同じ失敗をそのまま何十回、何百回と繰り返してしまうことが多いです。
逆に上達が早い子は、一回失敗すると、
「今のは何が違ったんだろう?」
と考えています。
前足を少し変えてみる。
重心を変える。
目線を変える。
弾くタイミングを変える。
スピードを少し落としてみる。
一回一回、ほんの少しずつ何かを変えているんです。
これってすごく大切です。
同じ動きを100回繰り返したら、同じ失敗を100回練習してしまう可能性もあります。
だから僕もスクールでは、
「もっとやれ!」
というより、
「今の何がダメだったと思う?」
と聞くようにしています。
自分で考える力も、スケートボードが上達するためにはものすごく大事だと思っています。
1. 自分の滑りを見る子は上達が早い
今の子どもたちは本当に恵まれています。
スマートフォンですぐ動画を撮れるからです。
僕が若い頃なんて、自分の滑りを映像で確認する機会はそんなにありませんでした。
だから、自分の中ではものすごく前足を上げているつもりなのに、映像を見ると全然上がっていなかったりする。
スケートボードでは、この
「自分の感覚」と「実際の動き」のズレ
が本当に大きいです。
なので、何ヶ月も同じ技で悩んでいる子がいたら、一回動画を撮って見せるだけで、
「あ、俺こんなことになってるんだ」
と本人が気づくことがあります。
僕たちコーチが10回説明するより、自分の動画を1回見た方が早いことすらあります。
だから僕は、動画を見ることも練習の一つだと思っています。
2. 上手い子ほど、目標が小さい
「オーリーをできるようにする」
「キックフリップをメイクする」
もちろん最終目標としてはいいです。
でも、それだけだとなかなか上達しません。
例えばオーリーだったら、
今日はまずテールをしっかり弾く。
次は前足を上げる。
その次は両足を板から離す。
そこから高さを少しずつ出していく。
というように、細かく分けて考えた方がいい。
いきなり完成形だけを追いかけると、
「できない、できない、できない」
の連続になってしまいます。
でも、
「今日はテールを10回しっかり鳴らせた」
だったら達成できます。
この小さな成功を積み重ねられる子は、最終的に強いです。
3. 一度に全部直そうとしない
これもすごくあります。
「前足も違う」
「目線も違う」
「後ろ足も違う」
「もっと弾いて」
「もっと体を上げて」
こんなことを一気に言われても、子どもは全部できません。
大人だって無理だと思います。
なので僕は、その日のテーマをできるだけ一つに絞った方がいいと思っています。
今日は前足。
今日は目線。
今日は弾くこと。
一個できたら次。
スケートボードって、結局それの繰り返しです。
何でも一気に覚えようとするより、一個ずつ体に染み込ませていく方が最終的には早いです。
4. 上達する子は「できる技」もちゃんとやる
新しい技に挑戦することはもちろん大切です。
でも、新しい技ばかりやるのも違います。
僕自身も滑るときは、最初からいきなり一番難しいことをするわけではありません。
プッシュして、オーリーして、いつもできる技をやって、少しずつ体をスケートモードにしていきます。
子どもも同じです。
いつもできる技を最初にやることで、
「今日もちゃんと乗れている」
という感覚ができます。
それから少し難しいことに挑戦する。
これはメンタル的にもすごく大きいと思います。
最初から失敗ばかりだと、やっぱりテンションも落ちてしまいます。
だから新しい技だけじゃなく、
今できることをもっと綺麗にする
という練習も大切です。
5. 失敗できる子は強い
結局これが一番大切かもしれません。
スケートボードは失敗するスポーツです。
というか、ほとんど失敗です(笑)。
新しい技なんて、最初はできないのが当たり前。
何十回も失敗して、転んで、少しずつ形になっていきます。
だから転ぶことや失敗することを極端に怖がってしまうと、どうしても最後まで技をやり切れなくなります。
足を途中で下ろしたり、体だけ逃げたりする。
そうなると、本当の失敗までたどり着けないんです。
最後までやって転んだ失敗だったら、
「もう少し前だったな」
「もう少し回せば乗れたな」
と次につながります。
でも途中で逃げてしまうと、何を直せばいいのか分かりません。
だからヘルメットやプロテクターをちゃんと使ったり、転び方を覚えたりすることも、単なる安全対策だけではなく、
上手くなるための準備
だと思っています。
練習時間が長ければ上手くなるわけではない
もちろん、スケートボードは練習量が必要です。
たくさん乗らないと絶対に上手くなりません。
ただ、
間違った動きをずっと繰り返していても、間違った動きが体に染みついてしまいます。
これは僕自身も若い頃にかなり経験しました。
僕はとにかく量をやるタイプでした。
一日中滑っていたこともありますし、何時間でも同じ技をやっていました。
だから上手くはなりました。
でも今振り返ると、
「もっと考えながらやっていたら、もっと早くできたな」
と思うこともたくさんあります。
量は必要。
でも、量だけでもダメ。
方向を確認してから量をやる。
これが一番強いと思います。
上手い人を「見る」ことも立派な練習
これはGrafferでもよく感じます。
上達する子って、意外と人の滑りをよく見ています。
自分が滑っていない時間も、
「あの人の前足どうなってるんだろう」
「なんであんなに高く飛べるんだろう」
と見ている。
これ、ものすごく大事です。
僕らスケーターも昔からそうです。
上手いスケーターのビデオを何回も見て、服装まで真似して、スタンスを見て、足の動きを見て、体の使い方を見て。
それが頭の中に入っているから、実際に滑ったときにもイメージできます。
なので、滑っている時間だけが練習ではありません。
見ることも練習です。
停滞している時期も、実は成長している
そして親御さんにも伝えたいのですが、スケボーって毎月きれいに上手くなっていくものではありません。
先月より今月。
今月より来月。
と一直線に伸びるわけではないです。
僕の感覚では、スケートボードの上達は階段みたいなものです。
しばらく何も変わらない。
何ヶ月もできない。
でも突然、
「え?できた!」
となる。
そしてまた止まる。
それを繰り返しながら上手くなっていきます。
だから1ヶ月、2ヶ月できないからといって、
「向いてないのかな」
「全然上達してないな」
と思わなくて大丈夫です。
その間にも体の使い方やバランス、怖さへの慣れは少しずつ蓄積されています。
子どもの成長は、できれば1ヶ月単位じゃなく、
半年、1年くらいの長い目で見てあげてほしい
と思っています。
親御さんにも、少しだけお願いしたいこと
子どもが頑張っていると、親もつい
「もっと前!」
「違う!」
「さっき言われたでしょ!」
と言いたくなります。
気持ちはすごく分かります。
ただ、スケートボードでは本人が自分で考える時間も大切です。
何が違ったのか。
どうすればできるのか。
一回自分で考えて、試してみる。
そこで初めて、本当に自分の技になっていきます。
なので、できなかったことより、
「今の前より良かったね」
「もうちょっとだったね」
くらいでも十分です。
スケートボードは誰かにやらされて上手くなるより、
本人がやりたくて続けている子の方が、最終的に伸びます。
まとめ
僕がこれまでたくさんのスケーターや子どもたちを見てきて感じる、上達する子の共通点は、
- 一回ごとに少し考えている
- 自分の滑りを動画で見る
- 小さな目標を作る
- 一度に一つずつ直す
- できる技も大切にする
- 上手い人の滑りをよく見る
- 失敗や転ぶことを怖がりすぎない
ということです。
もちろん、一番大切なのはスケートボードを楽しむことです。
楽しいからまた乗る。
また乗るから少し上手くなる。
少し上手くなると、もっと楽しくなる。
この繰り返しが一番強いと思います。
Grafferでも、ただ技を教えるだけではなく、その子がどこでつまずいているのかを一緒に見ながら、一人一人に合った上達の仕方を考えています。
何ヶ月も同じ技で止まっていたとしても、ほんの一つ原因が分かっただけで一気に変わることもあります。
焦らず、でも一回一回少しだけ考える。
それだけでも、スケートボードの上達はかなり変わってくると思います。
これからもGrafferでは、子どもたちがただ技を増やすだけではなく、自分で考えて、挑戦して、失敗して、それでもまた挑戦できるスケーターに育ってくれたら嬉しいです。