上達 2026.09.11
スケボーのプッシュが安定しない原因と直し方
スケートボードを始めて、最初に覚えるのが「プッシュ」です。
片足を板に乗せて、もう片方の足で地面を蹴って進む。
言葉で説明するとすごく簡単なんですが、実際にやってみると、
「まっすぐ進まない」
「フラフラする」
「蹴るたびに板が曲がる」
という子はかなり多いです。
そして、うまく進めないと本人も「自分はスケボーが下手なのかな」と思ってしまいます。
でも、僕が今までスクールでたくさんの子を見てきて思うのは、プッシュが安定しないのは才能の問題ではないということです。
ほとんどの場合、ちゃんと原因があります。
しかも、フォーム以前に「板そのもの」が原因になっていることもあります。
今日はプッシュが安定しないときに、僕がどこを見ているのかを書いてみます。
まず最初に確認してほしいのは「ちゃんと進む板かどうか」
プッシュができないと、まずフォームを直そうとすると思います。
でも僕はその前に、必ず板を確認します。
スケートボードをひっくり返して、ウィールを手で強く回してみてください。
指を離したあとも数秒間クルクル回っていれば、基本的には大丈夫です。
逆に、回した瞬間にすぐ止まってしまうなら、いくら一生懸命プッシュしても進みません。
これ、意外と多いです。
特に初めてスケートボードを買った子の場合、ネットや量販店でかなり安いコンプリートを買ってきて、ベアリングがほとんど回らないことがあります。
回らない板で「もっと強く蹴って!」と言われても、子供は大変です。
大人が乗っても進まない板もあります。
だから、まずは本人のフォームを疑う前に、
「そもそも、この板ちゃんと進む?」
ここを見てあげてください。
原因1:前足が横を向きすぎている
板に乗せている前足の向きもかなり大事です。
初心者の子を見ると、前足のつま先が板の横方向を向いたままプッシュしていることがあります。
その状態で地面を蹴くと、体重が板の左右どちらかに入りやすくなるので、蹴るたびに板が曲がっていきます。
プッシュするときの前足は、つま先をある程度進行方向に向けてあげる。
完全に真っすぐでなくてもいいですが、板の縦方向に対して45度くらいから真っすぐの間を目安にすると安定しやすいです。
分かりづらければ、一度スマホで上から足元を撮ってみてもいいと思います。
本人は真っすぐ置いているつもりでも、かなり横を向いていることがあります。
原因2:足元ばかり見ている
これも初心者には本当に多いです。
怖いので、どうしても板や足元を見たくなります。
ただ、ずっと下を向いていると体が前に倒れやすくなって、バランスも崩れます。
それに、スケートボードだけじゃなく、自転車でもスノーボードでもそうですが、人は基本的に「見ている方向」に進みます。
なので、
足元ではなく、少し先を見る。
僕は子供には「10メートルくらい先を見て」と言うことが多いです。
ここで大事なのが、
「下見ないで!」
と言うより、
「あのコーン見て」
「あそこまで見ながら行ってみよう」
と伝えること。
子供には「やっちゃダメ」よりも、「どこを見ればいいか」を具体的に教えた方が伝わりやすいです。
原因3:蹴る足が体から離れすぎている
プッシュするとき、地面につく足が板から遠すぎる子もいます。
体の横に大きく足を出して地面を蹴くと、蹴るたびに体が左右に振られます。
理想は、できるだけ板の近く。
感覚としては、体の真下に近い場所に足を下ろすイメージです。
そして地面を蹴ったら、足を板の近くに戻す。
これだけでも、かなり安定してきます。
いきなり連続プッシュをしなくていい
プッシュが苦手な子ほど、
「もっと何回も蹴って!」
となりがちなんですが、僕は逆です。
まずは1回だけ。
1回地面を蹴ったら、両足を板に乗せて、そのまま止まるまで進んでみます。
これを安定させます。
1回のプッシュが安定していないのに、2回、3回と増やしても、崩れる回数が増えるだけです。
最初の目標は「1回蹴って5メートル」
1回地面を蹴いて、5メートルくらい真っすぐ進める。
まずはこれで十分です。
コーンを5メートル先に置いてもいいと思います。
「あそこまで行こう」
という目標があると、自然に目線も上がります。
それができたら、
1回から2回。
2回から3回。
少しずつ蹴る回数を増やします。
最終的には、10メートルくらい真っすぐプッシュできれば、次の練習に進んでもいいと思います。
トラックの締め具合も確認する
フォームも悪くない。
ウィールもちゃんと回る。
それでもフラフラする場合は、トラックも確認してみてください。
トラックが緩すぎると、少し体重をかけただけで板が左右に大きく動くので、初心者にはかなり難しくなります。
逆に締めすぎても、自然に曲がれなくなります。
最初は少し安定するくらいに締めてあげて、上達してきたら本人の好みに合わせて調整すればいいと思います。
スタンスが逆の可能性もある
どうしてもプッシュがしっくりこない場合、レギュラーとグーフィーが逆という場合もあります。
左足を前にするのがレギュラー。
右足を前にするのがグーフィー。
最初に決めたスタンスが必ずしも合っているとは限りません。
試しに逆の足で乗らせると、
「あれ?こっちの方が乗れるじゃん」
となることがあります。
違和感がずっと消えない場合は、逆も試してみる価値があります。
プッシュは地味だけど、一番大事
スケートボードを始めると、どうしても早くオーリーをやりたくなります。
技をやりたい。
ジャンプしたい。
それはすごく分かります。
でも、僕はスクールでもプッシュをかなり大切にしています。
なぜなら、スケートボードの中で一番使う動作だからです。
オーリーを1回やるまでに、何回プッシュしますか?
パークの中を移動するのもプッシュ。
ストリートでスポットまで行くのもプッシュ。
スピードを付けるのもプッシュ。
基本中の基本ですが、このプッシュがきれいな人は、それだけで滑りが上手く見えます。
逆に、すごい技ができても、移動しているときのプッシュがフラフラしていると、滑り全体が少し不安定に見えてしまいます。
僕自身30年以上スケートボードをしていますが、今でもパークに着いたら最初に何周か普通にプッシュします。
体を温めるという意味もありますが、その日の板の状態や路面の感じを確認する意味もあります。
基本って、できるようになったら卒業するものじゃないんですよね。
ずっと使い続けるものだと思います。
プッシュが安定しないときに確認すること
最後にまとめます。
まず最初に、板をひっくり返してウィールがちゃんと回るか確認してください。
次に、前足のつま先が横を向きすぎていないか。
目線が足元ばかりになっていないか。
蹴る足が体から遠くなっていないか。
そして、いきなり何回も蹴らずに、
「1回蹴って、5メートル真っすぐ」
ここから始めてください。
もしフォームを直しても安定しなければ、トラックの締め具合やスタンス、練習している路面も確認してみてください。
プッシュが安定すると、その後のチクタクやターン、オーリーも全部やりやすくなります。
だから焦って技に進まなくても大丈夫です。
地味なところをしっかり練習した子の方が、あとになって一気に伸びます。
Grafferでは、今使っているスケートボードを持ってきてもらえれば、フォームの問題なのか、板の問題なのかも一緒に確認できます。
「なかなかプッシュが安定しない」という子は、一度基本から見直してみてください。
次回は、プッシュの次に覚えたい「チクタクで曲がれるようになる練習方法」について書きたいと思います。